20070114

20060714 Brussels→Amsterdam

なんだかバタバタと過ぎ去ったベルギー滞在。本日はもうアムステルダムに移動です。
空腹で早く目が覚めたので、ホテルで朝食をとることに。
あらー、メニュー豊富な上にコーヒーはポットサービス。気が利いています。
昨日も食べておけばよかったと思いつつ、チェックアウトして中央駅に向かいました。
時間が足りずに行けなかった王立美術館近辺を外観だけでも拝んでおこうと
遠回りコースを選択。目標の列車は11:50。余裕です。
…と思っていたら、グラン・プラスを過ぎた辺りから、道はずっとゆるやかな上り坂に。
キ、キツい。小さなスーツケースで来てよかった。
じっくり楽しむこともなくぜいぜい言いながら駅に着いたのは、11:30分過ぎ。
余裕のはずが。
いろいろ考えた末に、IC一等車のチケットを購入しました。大人ですから。

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ゆるやかな坂、わかりますか?


あれよあれよという間に列車は動き出し、さよなら、ベルギー。
車両は古いけれど、1人掛けに座れて座席の間隔も広く、快適。車内販売もありました。
アムステルダム(とベルリン)は、今回の旅のメインの目的地。期待に胸が高まります。
かねてよりオランダに興味はあったのですが、かの国についての知識といえば

●手作り国土・山が無い
●風車・チーズ・チューリップ・木靴
●ゴッホやフェルメール、レンブラントなど優れた画家を多数輩出
●女王がいる
●定評あるグラフィックデザイン
●ミッフィーちゃんの生みの親、ディック・ブルーナ氏がいる
●ソフトドラッグ合法・売春合法・同性結婚法世界初施行
●平均身長世界一
●スーパーマーケット“HEMA”がある
●昔一人の少年が腕一本で堤防決壊を防ぎ国を守った(←実話?)
ピーター・アーツファムケ・ヤンセンの祖国

などなど、所詮こんなレベルですが、なんといっても


●鎖国時代の日本に付き合ってくれた国


ですよ。かつての蘭学者憧れの地ですよ。
日本人は感謝の気持ちを忘れてはいけません。たぶん。
そうこうするうちに列車はオランダ入国。ハーグで乗り込んで来たご一行様が
えらくハイテンションです。もう何かキメこんでいるのでしょうか。


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さあ、アムステルダム中央駅に到着です。
そこら中にうじゃうじゃとものすごい数のバックパッカーが。
やはり何かをキメこみに来たのでしょうか。
ガイドブックに“駅構内より外のインフォメーションの方が空いている”とあったので、
駅前左手にある交通局案内所GVBでトラムの15枚綴り回数券を購入しました。
ごちゃごちゃ訳のわからない乗り場でなんとか自分の乗るべき路線を発見。
26番トラムで本日の宿、“Lloyd Hotel Amsterdam”に向かいます。
Rietlandparkで下車して歩くこと数分、15:30過ぎにようやくホテルに到着しました。
戦前にホテルとして建設されたこの建物、
戦後は少年院として使用されその後放置されていたのが
建築家グループ&アーティストの手で数年前に再びホテルとして蘇ったそうです。
館内は吹き抜けでとても明るく、部屋の窓からの眺めもよく、とてもとてもよい雰囲気。


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さて、一番安い(といっても私にしては奮発)部屋を選んだので本日のトイレ・シャワーは共同です。よってまずは場所を確認しておこうとホテル内を探検。地下1階でトイレを発見するも、オランダ語表示のためどちらが男性用でどちらが女性用かもわかりません。
「こっちだ!」とドアを開けると、スタンディング小用便器がズラリと。
結局シャワールームを見つけられずレセプションで尋ねてみると、
さらさらっとメモに“Badkammer”と書いてくれました。
私の部屋のすぐ近くにあったのですが、“Bad”と付いていたので何かイケナイ部屋かと思っておりました。
フランス語でさえ懐かしく思えたこの瞬間。
ちなみに地下まで行かずとも、シャワールームにトイレもありました。


本日は中休みのつもりで「ホテルでのんびり過ごす贅沢な午後」というのを勝手に思い描いていたのですが外が明るすぎることもあり、うむ、どうもくつろぎきれません。
ライブラリーコーナーで写真集をめくったりして空腹をまぎらわせましたが
まだまだディナーという雰囲気でもありません。
よって、散歩に出かけることにしました。
外に出ると…寒っ! 海のそばなのでハンパじゃなく強い風が吹き付けます。
めげずにズンズン進んで行くと、おお、噂通り自転車だらけ。
途中釣りにいそしむ人を見かけましたが、よく見るとどうやら餌はフランスパンのようです。釣れるの?
ちなみにまだ獲物はゲットできていないようでした。


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この辺りは再開発地区なので、素敵な集合住宅が目につきます。
最初はよろこんで写真を撮っていたのですが、「あ、人様のお家だった」と思い直し自粛。
だって薄手のカーテンという発想があるのかないのか、どの部屋も丸見えです。
大きな集合住宅で一度にいろんな部屋が覗き見られるのは、こちらにしてみれば楽しいのですが。こじゃれたショップやかわいいカフェもちらほらあります。
かわいいといえば、こども。ここ数日で、もう私のハートはめろめろです。
あと2週間もいたら、衝動的に1人ぐらいさらってしまうかも、などとくだらない事を考えていると推定身長2m級の人が私の横を通り過ぎました。
やったー、オランダに来たぞー、と変なとこで実感。


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最下段右は対岸から見たロイド・ホテル。


海を眺め、船を眺め、行き交う人を眺めつつぼんやり過ごしていたものの
もはや強風に耐えきれず、ホテルに戻ることにしました。
まだまだ明るいけれど夕食にしようとホテル内のレストランへ。
屋内にはほとんど人がおらずテラスが賑わっていたので私も外に腰を落ち着けました。
が、無理! 絶対無理! 風強すぎ! なぜみんな平気なのかわかりません。
結局屋内に戻り、メニューとにらめっこ。
“Calf's Stew with Lemon”というのが美味しそうです。
オーダーすると、お店の人が「アロなんちゃらだから、野菜も一緒に頼んだ方がいい」と。
?と思いながらも、そう言うのならと“Posh boiled Vegetable”というのも注文しました。


運ばれてびっくり。


皿からはみ出さんばかりの巨大牛肉煮込み1枚のみドーン。
ゆでただけ(味無し)のブロッコリー1把分(茎が長い)ドーン。

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そりゃ“stew”というと煮込みなのでありましょうが。
日本人は「仔牛のシチュー」と脳内変換して具のゴロゴロ入った料理をイメージしますよ、絶対。さっき「アロなんちゃら」と言っていたのはきっと「alone」だったに違いない。
写真を撮れる雰囲気じゃなかったことが残念です。
ここで私はこの旅はじめての敗北感を覚えたのでありました。
しかし間がもたずお代わりしたビール“Affligem”は超美味でした。


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部屋に戻ってみると、陽の差し込み具合が素敵です。しかし、まだ明るい。
またもやホテル内をぶらぶらと。フライヤーの収集にはげんだり、メールを送ったり。
そして時計を見ると、22時過ぎ。やっと日本の夕方ぐらいの明るさです。
おかーさーん、こんな夜はいやです。

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[中]廊下の壁の小さな扉を開けると給湯コーナーでした。壁に描かれた絵がかわいい。



背伸びしながらシャワーを済ませ、背伸びしながら部屋の電気を消し、
えらく高い位置にあるテレビのスイッチを入れました。リモコンでですが。
私は身長160cm。さすがなんといっても平均身長世界一の国です。
ベッドに入ると、布団はフカフカで寝心地最高。
チャンネルをあわせたのはコメディドラマで、舞台はレストランウエディング。
新郎新婦は男性2人。感極まってキスしたものの唇が離れなくなってしまい、そんな2人を意に介さぬまま放っといてみんな帰ってしまうというオチでした。
オランダという国の懐の深さを実感しつつ、スイッチを消して眠りにつきました。


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オランダ人レポーターが中国を旅するという旅行番組も。なんか新鮮。