20070108

20060710 Paris→Mont Saint Michel

シャルル・ド・ゴール空港に到着してからかなりの時間を機内で待たされ、
朝5:50、ようやくフランス入国です。
あちこちさまよいながらTGVの駅に向かう私。朝早いせいか人影もまばらです。
かなり時間に余裕があったので、フランス国鉄SNCFの窓口が開くのを待って
予約しておいたレンヌ〜モン・サン・ミッシェルのバスチケットを発券してもらいました。


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美しきCDG空港。しかし迷彩服に身を包み銃を持った人たちがそこら中にたくさん。


列車を待つ間にこのすっぴんかつ疲れ果てた顔をなんとかせねばとトイレに入ろうとしたら、チップ係のおばさんが「スーツケースはここ(入り口脇)に置いて行け」と。
「ああ、この人が荷物を見ていてくれるならゆっくり身支度ができる」と安心していたら
なんとおばさんは中に入ってきて掃除を始めてしまいました。そんな。
置き去りにしたスーツケースが心配で、結局眉だけ描いてトイレを後に。
ちなみにこの時、スーツケースに鍵をかけ忘れていたことに気付きました。
日本からずっと。


さて、フランス語のアルファベットはもちろん英語のそれと発音が違います。
ホームで自分が乗るTGVの車両の位置がわからなかったので駅員さんに尋ねると、
「このまままっすぐ行って、最後の“ジィ”の乗り場です」と“G”の乗り場で言われ、
考えること数十秒。
その乗り場は“J”でありました。


そうしてTGVに乗り込み、列車はレンヌへ。WEBで予約してチケットはプリントアウトするだけだなんて、なんて世の中は便利になったのでしょうか。
しかし心配性な私。列車や飛行機のチケット、ホテルのコンファームメール、旅程表などは
何が起きても大丈夫なように、各3部プリントアウトしていろんなとこに分散させてました。A型です。


さて、レンヌ着。レンヌ駅は想像していたより駅も駅周辺も都会的でびっくり。
駅構内は大勢の若者でごった返していて、なんとなく少し前の学生の暴動のニュースを思い出しました。
モン・サン・ミッシェル行きのバスは驚いたことに乗客のほとんどが日本人で
一瞬どこかのチャーターバスに乗り込んでしまったのかと思いましたよ。
「バスが走っている間に段々モン・サン・ミッシェルが見えてきて、昔バスからストーンヘンジを見た時のように感動するに違いない」とわくわくしていたにもかかわらず、あっさり熟睡。車内のざわめきに目を覚ませば、すぐそこにモン・サン・ミッシェルが見えたのでありました。やっぱりほのかに感動。


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今日の宿は、モン・サン・ミッシェル内の“Hotel Le Mouton Blanc”。
歩いてすぐの距離なのですが、いかんせん細い道に観光客がこれでもかというぐらいいて
前に進みにくい事この上無し。やっと到着して部屋に荷物を運び込み、
窓を開けると、おお、いい眺め(上写真右※3倍ズーム)。
「ここまで来たなぁ」としみじみした途端、気がゆるんだのかついウトウトと。
当然です。家を出たのが9日の朝8時半。今10日の昼過ぎ。
時差があって何がなんだかわかりませんが、すごく時間が経っていることは確かです。
そのまま数時間熟睡し、“観光しないまま次の日まで寝てしまう”というリアルな夢を見て飛び起きました。
しかし、外に出てみるとあれだけいた観光客がいなくなり、いい感じの静けさです。
さっそく修道院に向かいました。この時はNight Time Tourと称して22:30まで入場できたのです。


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石造りでひんやりとした院内は荘厳な感じ。華美でない、ストイックな雰囲気に
いつしか心も落ち着きます…と言いたいところですが、映画ダヴィンチ・コードを観た後だったので“物陰から修道服姿のポール・ベタニーが出てきたらうれしいな”などと、
大変よこしまな事を考えながらうろついておりました。
所々でチェロやハープシコードの演奏が行われていて、さらに素敵な雰囲気に。
ほんと、人の少ない時間に来てよかったと心から思いましたよ。


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一番大きな聖堂で十字を切る人々が。こんな観光客でほんとにすみません。


修道院を出て、まずはビール小瓶を2本。Amstelという名前で1本3ユーロ。美味しい。
その後は島内をしばらくぶらぶら散歩します。
店の立ち並ぶ通りはともかく、どこもかしこも時が止まったような不思議な空間。
なんでもない花や小鳥などまですべてが美しく見えてしまう私は単純な人間です。
一通り歩いてみて、夕食はホテル併設?のレストランへ。
軽食かディナーか聞かれ、ディナーと答えると海の見えるテラスに案内されました。
もちろんここでもビール。Desperadosというのをおすすめしてもらったのですが、甘い。そして高い。
まずオーダーしたのは“MOULES CREME”。小粒ムール貝がてんこ盛りで、
ハーブの効いたクリームソースが絶品。激ウマです。
そして次に“SOUPE DE POISSON”。「魚のスープ」ということでブイヤベースのようなものを勝手に期待していたのですが、目の前にあるのはどろりとした茶色っぽいスープ。
うむ、しょっぱい。
食後にエスプレッソを頼んでディナー終了。海が見えて気持ちいいし、スタッフも感じよく、大満足な夕食となりました。前菜ばかりでしたが。
レストラン“Chez Mado”、おすすめです。
で、1人充実感にひたっていると小さな女の子がもじもじしながら何やら私に話しかけようとしています。「日本人がめずらしいのかしら」と思いニッコリ微笑んで見せると、彼女の後ろで父親らしき人が「ほら、“你好”と言ってごらん」と。私もアジアの人は見分けられませんが。
こうしてモン・サン・ミッシェルの夜はふけてゆきました。
いつまでたっても外は明るいけど。


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なぜかウィンドウを埋め尽くすポンピエ(消防士)人形。江戸でも火消しは憧れの職業でした。