20070217

20060719 Amsterdam→Berlin

本日はなんと4:30にホテルを発たなくてはなりません。
大変心細い音量の目覚まし時計しか持っていなかったので、
3:30にモーニングコールをお願いしておきました。
が、私、今までの人生で一度たりともそんなもの頼んだことがありません。
緊張のあまり3:30より早く目を覚まし、ベルが鳴ると同時に受話器を取り、
「ハロー」との呼びかけに元気よく「ハロー!サンキュー!」と応えました、が、
電話の相手は自動メッセージでありました。


28日にアムステルダムに戻ってくるのでレセプションで空き部屋を確認すると
「よかったですね!同じ部屋が空いてますよ」との事。
「お、同じ部屋じゃなくても…むしろ別の部屋の方が…」と思いつつも予約を入れ、
呼んでもらったタクシーに乗ってスキポール空港へ。片道約40ユーロ。結構なお値段です。
コント赤信号の小宮氏に似た運転手さんとなぜか握手を交わしてお別れし、
Transaviaのチェックインカウンターへ。
Transaviaはオランダ拠点の格安航空会社、といってもKLM航空系列会社らしいです。
グリーンとブルーのコーポレートカラーがさわやかです。
この時のベルリンまでのフライトは諸費用込みで89.49ユーロ。
あまり比較検討していないので妥当な額なのかわかりませんが、
さっき調べた高松→東京のANA旅割最安料金が13,400円であることを考えると
同程度の料金で、しかもちゃんと飛行機で国境を越えられるとは
島国に住む私なぞからすれば大変うらやましい限りです。


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憧れのスキポール空港に浮かれつつ、ずらり並んだ欧州系航空会社の飛行機を満喫し、
カフェでドーナツとカプチーノの朝ごはん。席を立つ時、相席していた旅行者らしき人に「ハヴァナイストリップ」と声をかけてもらい、
なんだか一気にまだ見ぬ次の街への期待が高まります。


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すごく小さなスキポール空港ガイド。見やすい。便利。各国語版が置いてあります。


そしてその1時間半後。あっという間のベルリンはテーゲル空港。
列車(S/Uバーン)、バス、トラムの乗り放題チケット
(7日間有効で25.4ユーロ/ぺらぺらの小さな紙で無くしそうでこわい)
を空港で購入し、まずは本日の宿に向かいます。
しかし当然ながらまだベルリンの空気というかリズムがつかめず、
なんとなく落ち着かずオドオドしております。案内表示も読めないし。
さらにフランス、ベルギー、オランダと、今までこわいぐらいに愛想のいい人が多かったので、インフォメーションカウンターの受付嬢、バスチケット売り場の女性、運転手さん、駅員さんの無愛想4連発に軽いめまいを覚える私。
やっとの思いで、Sバーンのティーアガルテン駅の目の前にあるDorint Novotel Berlin Am Tiergartenにたどり着くことができました…

おかーさーん、私こんな豪華な部屋に泊まったことありませんー!

ノボテルといえばワールドワイドなホテルチェーンですが、
私は「ちょっと豪華なビジネスホテルぐらい?」と思っていました。
しかしこれが「ちょっと豪華なビジネスホテル」なら、
高級ホテルなどは私の目にはさぞかし宮殿のように映ることでありましょう。
しかもそんなゴージャスさにもかかわらず変更不可の早割プランだったので、
本日は39ユーロ。次の日は49ユーロ(少し遅れて予約したため)。おトクすぎます。
昨夜は床に座ることもままならない小さな部屋で暑さで苦しんでいたというのに、
本日は3回ぐらい続けてでんぐり返しできそうなセレブ部屋です。もちろん冷房付。
あまりの気持ちよさにそのまま2時間熟睡。
午後からやっと街の探検に繰り出すことにしました。


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部屋の窓からかすかに見えるジーゲス・ゾイレ(下記参照)。左の方にテレビ塔。


まずはSバーンでツォー駅へ。さっそく売店でカリーブルストとパンを買います。
ドイツといえばソーセージ!ですよね、やっぱし。
このカリーブルストはひとくち大に切ったソーセージにカレー粉とケチャップがドバドバかかってます。
「ダンケシェーン」とうれしげにお礼を言ってスマートにカリーブルストとパンを受け取ったのですが、

あれ? 左手にカリーブルストのお皿、右手にむきだしのパン。

これを食べるにはどう考えてもあと一本腕が必要なような。
ベンチに座ってなんとか食べ終えましたが、これがもうおいしくておいしくておいしくて。
特にパン。なんてことない普通のパンなのでしょうが、
外のカリカリ具合と中のもっちり具合が絶妙でもう1つ欲しいぐらいでした。


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お腹もふくれたところでいざ地図を広げて歩き始めたのですが、
これまでこじんまりした中にギュッとあれこれ詰まった街ばかりを観てきたこともあり、
ベルリンがとてつもなく広く感じます。地図の縮尺も今までと違うのでしょうか。
「これぐらい余裕っしょー」と思っていても、いつまで経っても目的地にたどり着けない。
さらに50℃ぐらいあるのではと思われるほど、暑い。今までで一番暑い。
湿気があるのか、汗もかく。
観光客でギュウギュウのバスもSバーンもUバーンも冷房無し。
触れ合うベトベトの肌。濃密な体臭。
もう無理!とカフェにとびこんでビール2杯を一気に飲み干しました。
少しして元気が回復したので、バスに乗ってバウハウス資料館に行くことに。
バスの運転手さんの緑色のモヒカンヘアが見事でした。


さて、バウハウス資料館 Bauhaus Archiv Museum für Gestaltung に到着。
閉館時間は17時、この時15時。
「ちゃんとまわれるかしら」と思い館内案内図はあるかと尋ねると
「無いけれどベリースモールな資料館だから大丈夫」との返事が。 確かにベリースモール。
しかし元々バウハウスに興味津々の私、
次の日に本場デッサウのバウハウスに行くということもあり
それなりに「ここまでやって来たのね」などと感動しつつ展示を楽しんでいました。
そんな時に耳にとびこんできた日本語「イマイチー」。ふりむくと旅行者3人組。
さっさと観てさっさと資料館を出たようですが、そういうことは外に出てから口にした方がよいのでは。まあ他の外国人旅行者も私にわからない言葉で同じようなことを言っているのかもしれません。
それにしても戦前にデザインされたものとは思えない作品の数々。
あらためて頭が下がります。
デッサウがとても楽しみになってきました。


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もう観光する元気も体力も残っていなかったのですが、
とりあえず中心部をざっと見ておこうと
観光地を効率よくまわれるという100番のバスで東エリアのアレキサンダープラッツまで行き、すぐ200番のバスに乗って戻ってくることにしました。
いやー、ティーアガルテン(中心部にある森です)の広さはハンパじゃない。
バスの窓の向こうにジーゲスゾイレ(戦勝記念塔/ずっとジーレスゾイゲだと思っていた)が段々近づいてきた時、映画『ベルリン・天使の詩』ファンの私は
言いようの無い感動の嵐に襲われました。
とか言いながらしんどさが勝ってバスを降りることなくそのまま通り過ぎたのですが。
で、再び元の場所。涼を求めて百貨店カー・デー・ヴェー Ka De We へ。
エスカレーターで上がっていくと5階がまるごと工事中でびっくりしました。
さて、6階には魅力的な食材が満載で、いつまで眺めていても飽きません。
色とりどりの小さなソフトクリームのようなもの(想像してください)が
お惣菜屋さんのショーケースにずらり並んでいたので何かと思ったらバターだそうな。
へー、こんなのはじめて見ました。
パテやらソーセージやらシーフードやら、もうたまりません。
しかしそこをぐっとこらえて隅っこのバースペースでビールをオーダー。
専門店っぽくて、ゆっくりゆーっくり時間をかけて少しずつ注ぎ足しながらようやく完成した我がビールはねっとりこんもりとした泡が絶妙な上に、
ビール自体も苦味と甘味のバランスが丁度よく、美味しい!
待っている間は「お願いですから早く飲ませてください…」という気持ちでしたが。


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ようやくホテルに戻ります。
旅も半ば、かなり疲れもたまっており、なんだか無性に優雅なご飯が食べたくなったので
ホテル内のレストランに行くことにしました。
広々とした空間の一番向こうに一人、そして一番こっちに私、計二人のお客さん。
大変優雅です。
「ワインは何がありますか」と聞いてみたものの、当然ながら名前を言われてもわからない。なので二番目に安い白ワインをグラスで。一番ではなく二番目というところに小さな見栄を感じます。
本日の前菜はひとくちサイズのラビオリ。
そこに「牡蠣のフリットとオマール海老のビスク」、
「チキン胸肉のロースト レモンクリームソースにレモン風味のリゾットを添えて」
(それ風に訳してみました)の二皿をオーダー。
おいしいです。どれもとてつもなくおいしいです。
カゴに山盛りのパンには、先ほどカー・デ−・ヴェーで見かけたバターやオリーブのみじんぎり、ピスタチオなども添えられておりました。これで満足しないはずがありません。
最後にエスプレッソでしめて、29.7ユーロ。
これまでの国より明らかにおトク感があります。今回の旅、エンゲル係数高いです。
部屋に戻ってからはそのゴージャスさにウキウキしてあちこちを開けたり閉めたり動かしたりと。おまえは修学旅行の小学生か。
このように興奮したまま、ベルリン第一夜はふけてゆきました。