20070331

20060720 Dessau

本日はベルリンからデッサウに遠出です。切符を買うためいったんZoo駅に行くことに。
まるでホテルのコンシェルジュのようなピカピカのカウンターで、
拙い英語を駆使してなんとか往復切符を購入。26ユーロ。
発車まで時間があったので、スタンドでボックブルストを買ってみることにしました。
ボックブルスト Bockwurstは茹でたソーセージのことだそうですが…


おかーさーん、私こんなに大きいソーセージを1人で食べたことありません。


紙皿から大きくはみ出したそれをどうやって食すればよいのか悩んだ挙げ句
皿ごと持ち上げてかぶりついていたら、
同じものを購入した人がレジ横にあったフォークとナイフを取ってスマートに食べるのを目撃。おお、そんな便利なものが。気付きませんでした。
恥ずかしさのあまり、残りは猛スピードでたいらげました。
もちろんフォークとナイフで。


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車窓からはこんなのどかな風景も。


で、12:07発のREに乗車。うれしげに2階席に陣取ります。
ん? なんだかとっても暑いわね、と思ったら、なんと冷房がありません。
今日も真夏日。デッサウまで1時間40分。
走り出すとわずかに風が入ってくるものの、暑い。停車するとさらに暑い。
すぐ前に座っていたスキンヘッドの若者も暑さにいらつきはじめた様子。
窓やら自分の持ち物やらに当たり散らしておられます。ちょっとこわい。
しかし乗客がほとんんどいなくてまだマシでした。
これで混んでいたら熱気と臭気で倒れていたかもしれません。


で、ヘロヘロになりながらなんとかデッサウに到着。
目的地は世界文化遺産でもあるバウハウス BAUHAUS の校舎です。
WEBサイトで地図を調べておいたので、駅の西口から出て歩くこと10分ぐらい?
おお、憧れのバウハウスが目の前に!


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と感動する間もなく併設のカフェに飛び込んでまずビール。1.4ユーロ。安い。
銘柄も適当に選んだのに、色が濃くてとても美味しい。
体中に水分がじわじわと浸透してひと息ついたところで、
隣のテーブルにいた人に話しかけられました。


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バウハウス・コレーグ(このデッサウ校舎で展開されている教育機関)のスタッフの方だそうで、一人で来たのか、何故来たのか、何故バウハウスに興味があるのかなどいろいろ質問され、さらには東京のグラフィックデザイナーたちとのエキシビションがどうこうといった
(←まったく理解できていない)お話をしていただきました…
…ごめんなさい、話しかける相手を見誤っておられますよ…。
英語もろくに喋れず、日本語でもそんな高度な話ができない私です。
大変申し訳なかったのですが、簡単に校舎内を案内していただき、ツアーの人しか入れない部屋や、職員さんたちの部屋を見ることができた上にデッサウのバウハウス建築マップや、TASCHENのバウハウス本までいただいてしまいました。
今日ほど喋れない自分をもどかしく、恥ずかしく感じたことはありません。
日本人観光客のイメージが悪くなったら私のせいです、本当にすみません。
それにしても、もっとちゃんと予備知識を仕入れていくべきでありました。

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“BAUHAUS ARCHITECTURE IN DESSAU”。地図です。


で、せっかく地図ももらったことだしと、マイスターハウス(バウハウスの教授たちが住んでいた住宅)を先に見に行くことに。
この猛暑の中、体力のあるうちに遠くから攻めておかねば。
歩いて行ける距離ですが、車は通るものの見事に人っ子一人見かけません。
お、あそこにいるのは観光客では?と思ったら、ようやくマイスターハウスに到着。
さて、ここでバウハウスについてですが、以下Wikipediaより引用。

バウハウス(Bauhaus)は、1919年、ドイツヴァイマル(ワイマール)の地に設立された
美術(工芸・写真・デザイン等を含む)と建築に関する総合的な学校である。また、その流れを汲む
合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。
「バウハウス」はドイツ語で「建築の家」を意味する。学校として存在したのは、ナチスによって
1933年に閉鎖されるまでの14年間のみであるが、バウハウス様式はモダニズム建築に大きな影響を与えた。

〈引用終わり〉

ほぅ、バウハウスは建築の家という意味なのか。今はじめて知りました。
ベルリン市内で「BAUHAUS」というDIY専門店らしきものを見かけましたがこれで納得です。バウハウスそのものを知らなくても、フォントBauhausならきっと誰もが一度は目にしている事でしょう。
話を戻して、バウハウスは右翼勢力の圧力によって一旦閉鎖された後、1925年にデッサウに移転。それに併せて建てられたのが、現存するデッサウ校舎なのであります。
現存、といってももちろん修繕はされているのですが小さなパーツの1つ1つまで同じものを作って再現している、と案内してくれた方が言っておられました。
たぶん。いや、言ったかな。言ったような。
設計は当時の校長であるヴァルター・グロピウス(男前)。
マイスターハウスも氏の作品です。


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現存する3邸には、建築家のミース、画家のクレーやカンディンスキーが住んでいたというから現代の我々から見ても幕の内弁当のような豪華な面々です
(グロピウス邸は戦災で焼失)。
外観はシンプルな小さな白い箱、といった感じですが
中に入ると(5ユーロ)意外なほどの開放感。
部屋数も階数も想像以上にあり、3邸それぞれに個性があり素敵です。
と言いながら、どの写真がどの建物だったか既に覚えていないのですが。
これが戦前に建てられたものとはとても思えません。住みたい。ぜひ住んでみたい。


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そしてまた歩いて校舎に戻ります。あらためてぐるりと外観を眺めてみます。
何がいいかって、一面のガラス窓。最初に中をまわった時に操作させてくれたのですが
驚くほど力要らずで開閉できます。
で、また中に戻って階段の踊り場で一休み。
窓と階段、照明という何の変哲もない光景も何故か美しい。
「思えば遠くへ来たものだ」という感動故かもしれませんが。


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うろうろした後はミュージアムショップへ。ポスターが大変なお得値で
(確か1〜5ユーロぐらい)まとめて購入したい衝動に駆られましたが
これから続く旅のことを考えてあきらめました。
代わりに見つけたのがこれ。DAS BAUHAUS MEMORY SET。

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バウハウス関連の作品やアーティストの写真が52×2セットのカードになって、
解説本(ドイツ語のみ)と共に木箱に納められてます。
これで12.9ユーロという親切価格もうれしい。


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ロゴを入れて撮ろうとすると、やはりお約束のアングルに。


またカフェでビールを飲んでから(このカフェは居心地がよい)、ベルリンに戻ることに。
他にもいろいろバウハウス関連の建築物はあるようですが、のんびりしすぎて
時間の余裕が無くなりました。体力も。さらば、バウハウス。さらば、デッサウ。


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20060720_22.jpg ←この時計が好きだ。


帰りの列車は行きよりも風が通って少しマシ。
検札では何故か切符に名前を書くように言われました。
どういうシステムなのでしょうか、ドイツ国鉄さん。
ウトウトしてしていると、途中で乗ってきた男女がガラ空きにも関わらず何故か私の隣のボックス席に。
ただ事ではない気配に目を覚ましふとそちらを見ると、
とてもここに書けないぐらいの見事ないちゃつきっぷりで慌てて視線を窓にやりました。
驚きにすっかり眠気がふっとんだのですが、しばらくするとさらにエスカレートした行為が
窓に映りはじめたので仕方なくまた寝たふりを続けました。
妙なところで気をつかったためグッタリ疲れて1日が終わりました。


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帰りの車内で気になったもの。
最初に貼ってたシールがはがれ落ちたために新しいものを貼り直したのだと思われますが、
古い(?)方はそのまま放置。なぜそんなに大ざっぱなのだ。